珈琲の歴史は諸説ありますが、9世紀頃にエチオピアで発見されたという伝説があります。ヤギ飼いの少年カルディが、ヤギが興奮して飛び跳ねるのを見て、その原因が赤い実だと気づいたという話です。その後、珈琲はアラビア半島に伝わり、イスラム神秘主義の修道者たちが眠気覚ましとして飲むようになりました。13世紀には、珈琲豆が焙煎されるようになり、香りと風味が付加されました。
珈琲は、15世紀以降にイエメンからイスラム世界に広まり、トルコ、イラン、エジプトなどでコーヒーハウスが開かれるようになりました。16世紀には、ヨーロッパにも伝わり、オランダ、イタリア、フランス、イギリスなどで人気を博しました。17世紀には、オランダ人によって日本にも紹介されましたが、当時はあまり普及しませんでした。明治時代になって、文明開化の波に乗ってコーヒーが広く知られるようになりました。
現在、珈琲は世界中で愛飲されており、多様な淹れ方や飲み方があります。珈琲は、文化や芸術にも影響を与えた飲み物として、長い歴史を歩んできました。
世界で飲まれている珈琲の産地について。
珈琲の産地は、大きく分けて「中南米」「アフリカ」「アジア・オセアニア」の3つの地域に分けられます。それぞれの地域には、さまざまな国や地方があり、コーヒー豆の品種や精製方法、気候や土壌などによって、コーヒーの味や香りに違いがあります。
中南米のコーヒーは、酸味と苦味のバランスが良く、飲みやすいコーヒーが多いです。代表的な産地は、「グアテマラ」「ブラジル」「コロンビア」「コスタリカ」などです。グアテマラは、フルーティーな酸味と深いコク、ナッツやチョコレートのような甘さと華やかな香りが特徴です。ブラジルは、クセがなくバランスの良い味わいで、ブレンドのベースに使われることも多いです。コロンビアは、ナチュラルな甘さと重量感のあるコク、フルーティーさもあり、バランスの良い味です。コスタリカは、爽やかな酸味と香り、軽い口当たりが特徴です。
アフリカのコーヒーは、軽い口当たりで華やかな酸味と香りが特徴です。代表的な産地は、「エチオピア」「イエメン」「ケニア」「タンザニア」などです。エチオピアは、コーヒーの発祥地と言われ、多くの品種や銘柄があります。モカと呼ばれるコーヒーは、エチオピアやイエメン産のコーヒーで、フルーツのような酸味と甘み、コクがあります。ケニアは、強い酸味と甘み、ワインのような香りがあります。タンザニアは、キリマンジャロという銘柄が有名で、強い酸味とコク、甘い香りがあります。
アジア・オセアニアのコーヒーは、重たいボディと深いコクが特徴です。代表的な産地は、「インドネシア」「パプアニューギニア」などです。インドネシアは、マンデリンやトラジャという銘柄が有名で、しっかりとした苦味とコクがあり、酸味は控えめです。パプアニューギニアは、クリアな味わいと豊潤な甘みがあり、すっきりした味です。
以上が、世界で飲まれている珈琲の産地と豆の種類の一部です。他にも様々な産地や銘柄がありますので、ぜひ色々と試してみてください。